確かに遠い記憶がリアルに再現される事がある。
不意に直観像が湧き上がり、もう一度と願っても現れてはくれない・・・。
自分の中の遠くて広い未知な世界・・・。
■afterimage [英語]
■image conscutive [フランス語]
■Nachbild [ドイツ語]
■ざん‐ぞう〔‐ザウ〕【残像】 外部刺激がやんだあとにも残る感覚興奮のこと。主として視覚についていう。
【残像(ざんぞう)】 [ 日本大百科全書(小学館) ]
電灯を注視してから壁を見ると、壁の上に電灯の像が現れる。これを残像という。このように、刺激が除去されたあとも興奮が残り、元の刺激と同質(陽性残像)あるいは異質(陰性残像)の感覚が生じる。この残像の見かけの大きさは、投影面までの距離に比例し、これをエンメルトの法則Emmert's lawという。また、動くものを見たあとで静止したものを見ると、前に見たものと反対の方向に動くように見えるが、この現象を運動残像という。たとえば、滝の流れをしばらく見たあとで視線を周囲の静止面に移すと、その面が滝の流れと反対方向へ移動して見える現象は、運動残像の例である。
残像は、いろいろな明るさ、形、大きさなどの変容の像(かたち)で現れる。複雑な形の元の刺激は単純な形の残像に変容し、投影面に他の図形があると、残像はそのほうへ引き寄せられる。また、刺激の除去後、残像は短時間だけ持続するが、直観像は数日後でも現れることがある。 [ 執筆者:今井省吾 ]
【直観像(ちょっかんぞう)】 [ 日本大百科全書(小学館) ] eidetic image
以前に一度見たことのある事物が明瞭(めいりょう)に再現され、あたかも実際の事物が存在するかのように眼前に見えるとき、これを直観像という。直観像は、幻覚のように外界に実在すると信じられることはなく、また、記憶表象よりもはるかに鮮明で、細部まで等しく現れ、空間的にも局在化される。残像after imageと比べると、残像が、刺激を除去した直後にのみ見られるのに対して、直観像は数時間、数日、あるいは数年後にすら見られる。また残像の色は、一般に原刺激に対して補色であるのに対して、直観像は原刺激と同色である。残像はだれにでも知覚されるが、直観像は成人ではまれであり、児童・少年少女期に多くみられるという(6~18歳で40%ないし90%)。ドイツの心理学者のイエンシュE. R. Jaensch(1883―1940)は、直観像には残像に近い性質をもつT型直観像と、表象に近い性質のB型直観像の二つのタイプが存在することをみいだし、前者は内向型(分裂性気質)、後者は外向型(そううつ気質)の性格類型に対応するものであるとした。視覚的なものばかりでなく、聴覚的、触覚的な直観像も報告されている。 [ 執筆者:西本武彦 ]